【開催レポート】「SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025」 最終報告会・公開イベント

シーベジタブルは、企業12社とともに取り組んだ「SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025」の最終報告会と、プロジェクトの成果を公開するイベントを、2025年12月3日(水)に東京コンベンションホールで開催しました。

・SEA VEGETABLE Co Creation Project
海藻による海の生態系回復と新たな食文化創造を目的に、シーベジタブルと企業が連携して「海藻を軸にした事業の創出」とそこから生まれる「海からはじまるネイチャーポジティブ」を探る共創プロジェクトです。

第一部:SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025 最終報告会

「SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025」のプログラムの一つとして、参画企業のみで最終報告会を実施しました。各企業毎にプロジェクトへの参画理由、得られた気付き、今後具体的に取り組みたいことなどを発表しました。

海藻を利用した商品開発、自然資本と事業性を両立させるスキームづくり、海藻文化に触れる場の提供など、自社の強みを活かしたり、参画企業同士が協業することで生まれる、海藻を軸とした新たなソリューション案が提示され、活発な意見交換が行われました。

第二部:SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025 公開イベント 海からはじまるネイチャーポジティブ ─ 企業とともに描く、新しい海藻産業の未来 ─

「SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025」の紹介や、プロジェクトから生まれた具体事例の共有、参画企業の担当者、官公庁職員による活動報告やパネルディスカッションを行いました。プロジェクト参画企業以外の方も加わり、合計130名を超える皆様に参加いただきました。

SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025 活動報告

「SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025」プロジェクトリーダーの朴から、本プロジェクトの企画背景や、参画企業が実践したプログラムの構成について説明しました。

シーベジタブルは海藻の生態系調査、種苗生産、食用途の活用まで一貫した事業を行っていますが、その可能性を広げていくために他業種の方々とより共創していく必要性を感じ、本プロジェクトを企画しました。

プログラムでは海藻領域の基礎から応用までの知識や、海藻を活用したサービスを社会実装する際に参考となるサステナブルファイナンスやブルーエコノミーなどのスキーム、企業間のリレーションづくりなどを学び、未来の海藻産業を共創する企業・団体とのネットワークを広げ、プロジェクトを創造していくことを目的としています。

具体事例の紹介

1.東京建物株式会社

東京建物株式会社 代表取締役副社長執行役員 和泉 晃さんから、環境を回復させながら、経済的な価値、社会的な繋がり、文化的な豊かさも同時に生み出していくリジェネレーションとしての発想をまちづくりに取り入れた「リジェネラティブシティ構想」についてお話しいただきました。

活動の一環として、都市と地方の新しいエコシステム形成を行う中、シーベジタブルの取り組みを体験できる八重洲の店舗開設や、湯河原町で企業版ふるさと納税を活用した地域連携の取り組みを紹介されました。

2.合同会社シーベジタブル

合同会社シーベジタブル共同代表の友廣より、三菱UFJ銀行のサービス「推しごとクラウドファンディング」を利用した、地域の自然資産を活かした海藻量産に向けた実証実験についてお話ししました。

また、2026年3月に東京の八重洲口にオープン予定の、海藻文化を日常的に体験できる場「シーベジスタンド」の取り組みについて紹介しました。

セッション1 / 企業の枠を越えて──海藻が拓く新しい産業の形

「企業の枠を越えて──海藻が拓く新しい産業の形」をテーマに、参画企業の皆様とプロジェクトに参画した背景や手応え、各社の取り組みなどについて意見を交わしました。

パナソニック ホールディングス株式会社 執行役員 グループCTO 小川 立夫さんからは取り組み事例として、自社が培ったAI技術を活用した海藻生産現場の効率化や、従業員の方々に海藻に親しんでいただく試みとして行われた社員食堂での海藻料理の提供、企業間の人材交流を通した知見共有についてお話しいただきました。

本プロジェクトの印象的な点は、関わっているメンバーの嬉しそうな様子だったと指摘します。今後は各地域に食やエネルギーが循環し持続する、分散型のコミュニティがある時代になると予測し、その中でシーベジタブルの今回のような活動は新しく、日本の水産資源を皆の力で活用できると未来は明るいのではないかと述べます。

株式会社セブン&アイ・ホールディングス 執行役員 和瀬田 純子さんは自社の課題意識として持続可能な食材を調達する必要性や、シーベジタブルとの共創事例としてスジアオノリを活用したセブンプレミアムオリジナル商品の開発経緯や開発後の社内の反応について話されました。

オリジナル商品の開発について、海藻を主役にした商品は初めての試みでしたが、このような形で第一歩を踏み出し予定数量を販売できたこと、小売業として海洋環境に貢献が少しでもできたことが良かった点だと述べます。

サラヤ株式会社 取締役 代島 裕世さんからは、サラヤが開発する環境、身体にやさしい界面活性剤を作る過程で活躍する酵母づくりに、海藻を活用することを検討していること、代表理事を務められている一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブが取り組む海洋環境改善に関するプラットフォームについて紹介いただきました。

本プロジェクトのような共創プラットフォームは、継続することで実績が実績を呼ぶ点から、継続することの重要さを指摘します。また、海藻の領域は経済的な価値が広がる可能性があるので、経済合理性の視点を補強いただくことでより様々な企業様が参加できるのではないかと述べます。

株式会社みずほフィナンシャルグループ 大谷 智一さんは、みずほグループとしてブルーエコノミーの推進に注力している背景や、具体的な事例として、陸上養殖事業や藻場整備に対するファイナンス支援の取り組みについてご説明されました。

投資先を選定する際の指標として、自然資本への影響度に関連した評価軸の可能性についても話題に上がりました。海の領域は漁業だけであった印象でしたが、本プロジェクトを通じて海藻を多用途に使えることを学び、海の領域で新しい産業を作っていきく際、その中心となるのは海藻になるかもしれないと述べます。

セッション2 / 参画企業担当者パネルディスカッション 

実際にプログラムに参加された各企業の担当者から、今回のプログラムで特に印象に残っているもの、今後行いたいことなどをお話しいただきました。

野村不動産株式会社 若狭 美穂さんはプログラム内の合宿が印象的だったと語ります。誰が、どのような想いで海藻をつくっているのか、現場を知ることができたことで、生産者の想いを顧客に伝えることの重要性に改めて気付けたと言います。また、難しいことを前に進める方法など、一緒に参加された他企業の方からも学べることが多かったと述べます。

直近の取り組みとして、食、環境、アートを切り口に海辺と都市の繋がりを感じていただく、シーベジタブルと一緒に行った海藻の体験展示を紹介されました。

ロート製薬株式会社 戸崎 亘さんは自社が健康に携わる事業領域のため、海藻の健康機能を改めて学べたことが印象深かったと述べます。また、食利用としてのビジネスチャンスとして、韓国が海苔の輸出を国策として戦略的に伸ばしていることを学び、日本にもまだまだチャンスがあると考えます。

天然資源から健康に有用な成分を抽出する活動を通して、地域や社会自体を健康にしていくために、海藻を活用することを検討するため、まずは社内での理解を広めていきたいと述べます。

日本たばこ産業株式会社 廣瀬 理子さんは共創をテーマとしたワークショップが特に学びが多かったと言います。プログラムを通して自社の可能性に新たに気づくことに加えて、ワーク中に他社企業についても知ることで、シーベジタブルや他企業の方と一緒にできることを考えられるのが良かったと述べます。

今後やりたいことして、海藻肥料の活用可能性、社食への海藻食材の展開可能性を検討していくことを紹介されました。

産官共創ラップアップトーク

環境省 水・大気環境局 海洋環境課海域環境管理室 西川絢子さん、農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部 新事業・食品産業政策課 新事業・国際グループ 課長補佐 村上真理子さんから、民間企業と政府や地方自治体の協業事例や本プロジェクトの感想をお話しいただきました。

西川さんは、環境省の地域主導の里海づくりについて説明されました。地域の課題に寄り添い、意欲的な団体に並走する形で集中支援する方針で進め、そこで得た水産資源をしっかり価値化し、環境保全と経済的価値の両立することを目指しています。また、民間企業や市民団体と協力し、自然共生サイトの認定や環境活動プラットフォームの構築も進めていると言います。

漁業者との対話を通じ、気候変動による海洋環境の変化を実感する中、環境負荷を最小限に抑えるだけでなく、新たな価値を創出し、お金と人の循環を生み出すことが、変化する環境に立ち向かうために重要だと考えますが、本プロジェクト参加者のアイデアやノウハウに期待を抱いていると述べます。

村上さんは、農林水産省のフードテック推進事業について話されました。持続可能な食料供給、生産性向上、豊かで健康な食生活への対応を3つを軸として活動をしていますが、2020年10月にフードテック官民協議会を設立し、プラントベースフードやサステナブルレストランなど、多様なワーキンググループを展開していると述べます。また、金融機関のアグリフード担当の方にも参加いただき開催している、資金調達に関する勉強会についてもご紹介されました。

本プロジェクトの参加者や、熱意を持った具体的な取り組みに感銘を受けたと言います。地域で共創の場を作っている活動はあるが、ここまで具体的に進んでいる取り組みは中々ないので、今後にぜひ期待したいと述べます。

 

第2期(2026年度)プログラムについて

2026年度の募集に関心をお持ちの方は、下記WEBページをご確認ください。

https://seaveges.com/pages/co-creation-project