海藻界の香りの王様『すじ青のり』香りも栄養も豊かな“海の野菜”
料理に豊かな風味を加えてくれる『青のり』。お好み焼きに振りかけたり、のり塩味のポテトチップスなどにも欠かせない食材ですね。
実は、みなさんが普段食べている、いわゆる『青のり』と呼ばれているものは、いくつかの品種が混ざっており、それぞれ大きな差があることはご存じでしょうか?パッケージの原材料を見てみると、「アオノリ」「アオサ」「ヒトエグサ(アオサノリ)」などと記載されていて見分けることができます。
このなかでも、「アオノリ」が一番高価とされていますが、それには訳があります。希少なだけではなく、「香り」「栄養」が特に際立っており、更にアオノリの中でも「すじ青のり」が最高級品と呼ばれています。
品種の詳細は▶『おまゆの珍道中~青のりとあおさの違い編~』をぜひご覧ください。
1.すじ青のりは、海藻界の「香りの王様」!他品種と比べて約4倍も香る
食材や料理における「香り」は、食事の味わいや楽しみを大きく左右する大切な要素です。「すじ青のり」「アオサ」「ヒトエグサ」には香気成分が含まれており、この含有量が多いほど、豊かな香り高さを味わうことができます。
では、実際にどれだけ含有量の差があるのでしょうか。科学的に分析しました。
「アオサ」「ヒトエグサ」に比べて、シーベジタブルのすじ青のりは青のりらしさを感じさせる「香り」が最大3.82倍高いという結果がでました。
すじ青のりを振りかければ、他の海藻よりも各段に上級な香り高さを味わうことができます。一流の料理人も「香りの王様」と唸る、 すじ青のり。あなたも すじ青のりを振りかけて、本格的に料理をレベルアップさせてみてはいかがでしょうか。
2.香りだけじゃない!実は栄養も豊富 〜鉄・カルシウム・ビタミン〜
海藻は、“海の野菜”と呼ばれるように、栄養も豊富な食材です。
すじ青のりは特に優秀で、その一振りで、実はしっかり栄養を摂ることができます。
◉ダントツの鉄含有量
食品100gあたりに、 すじ青のりは77㎎もの鉄が含まれています。アオサには5.3㎎、ヒトエグサには3.4mgの鉄が含まれていますが、その桁違いの差は明らかです。
◉1gでほうれん草1食分よりも多くの鉄を摂取できる
すじ青のり1gだけでも0.8mgもの鉄が含まれており、ほうれん草のおひたし1食分(小鉢一皿)に含まれる鉄0.63mg*¹よりも多く摂取できるとなれば、手軽に鉄補給できる優秀食材と言えるでしょう。
*¹:小鉢1皿70g:ほうれんそう/葉/通年平均/ゆで
日本食品標準成分表(第八訂)増補2023年
◉牛乳の6.8倍のカルシウム量
カルシウムは すじ青のり100gあたり750mg含まれており、牛乳の6.8倍*²です。
*²日本食品標準成分表(第八訂)増補2023年
◉あなたも鉄・カルシウム不足かも!?
鉄やカルシウムは、日本人が不足しやすい栄養素です。
鉄不足による貧血は、初期では自覚症状が表れにくく、かくれ貧血にも要注意。成人女性の5人に1人は鉄不足と言われています。また、育ち盛りの子ども、思春期、妊娠中、高齢者でも貧血の対策が必要です。激しいスポーツによって起こる貧血などもあり、どの世代にも鉄の摂取は大切です。
カルシウムの1日の推奨量は、成人1人1日当たり、男性で700mg〜800mg、女性で650mgと設定されています。これに対し、平均的な日本人の1日の摂取量は504.9mg*と不足していますので、意識して摂取していきたい栄養素の一つです。
*:令和元年国民健康・栄養調査
◉実はビタミンも豊富
すじ青のりには、微量でも体内で重要な働きをするビタミンも豊富です。目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きのあるビタミンAや、代謝やエネルギー生産に欠かせないビタミンB12は、アオサやヒトエグサの十倍〜数十倍含まれています。
すじ青のりを料理に混ぜるだけ、かけるだけで手軽に栄養を補給してみてはいかがでしょうか。
(左)新じゃがと青のりのポタージュ (右)いつものポテトサラダにかけるだけ
3.海藻にはうま味成分(グルタミン酸)が豊富 減塩にも
海藻には「うま味成分」であるグルタミン酸が豊富に入っています。うま味成分は、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の一つで、料理のおいしさを生む大切な役割を果たしています。
塩分の一部分を「うま味」で代替すると、もともとのおいしさは失わずに塩分量を減らせることが科学的に示されています。また、満腹感を引き出し食欲を抑えるのに効果的という研究もあり、グルタミン酸が豊富な海藻は美味しくヘルシーな食材なのです。
すじ青のりもグルタミン酸が豊富な海藻ですので、減塩しながら美味しく料理を味わうことが出来るでしょう。
◉更なる「うま味」アップ術!うま味の相乗効果
うま味成分は、グルタミン酸の他に、イノシン酸とグアニル酸があります。
グルタミン酸を他のうま味成分と組み合わせることで、うま味が飛躍的に強くなることが知られており、それを「うま味の相乗効果」と呼びます。
イノシン酸は魚や肉などに多く含まれており、合わせることでうま味がぐっと増すでしょう。
そして、イノシン酸が一番豊富な食材と言えば、鰹節ですね。すじ青のりと鰹節を合わせれば、無添加うま味たっぷり絶品ふりかけの誕生。
日本一の鰹節との呼び声が高い、金七商店さんの「本枯節」とのコラボ商品はこちら
また、もう一つのうま味成分のグアニル酸は干椎茸に多く含まれています。
生椎茸も加熱するとグアニル酸が増加しますので、〜焼き椎茸にすじ青のりを乗せて〜というシンプルなのにうま味たっぷりの一品もお勧めです。口のなかにジュワ〜ッとうま味が溢れますよ。