おまゆの海藻珍道中~海藻界のカメレオン・トサカノリ編~
もし大人の夏休みにも宿題として自由研究があったら、、
私は迷わず「トサカノリ」をテーマにします!
そのくらいトサカノリって、研究しがいのある面白い海藻なんですよー。
あるものと組み合わさるとたちまち色が変わったり、火にかけたらみるみる溶けたり。
この記事をきっかけに、ちょっとトサカノリって面白そうじゃん?と思ってくれたら嬉しいです。
今回は、そんなトサカノリの特徴やヒミツにせまっていきますね。
お刺身のツマって食べる派ですか?
「トサカノリなんて見たことも食べたこともないし、どんな海藻なのか想像もつかない!」
という方も少なくないですよね。でも知らず知らずのうちに、食べたことがあるかもしれません。
例えばお刺身の盛り合わせに添えられた赤い海藻。あれってじつはトサカノリかも。
今度居酒屋さんでお刺身を頼んだら、広げて観察してみてください。(シーベジスタッフとごはんに行くとよく見る光景)
さて、皆さんの広げた海藻はどんな形でしたか?
実は最近、天然もののトサカノリがほとんど採れなくなっていて、トサカノリと色や形状がよく似たトサカモドキ(カエデノリなどとも呼ばれる)という海藻を代わりに使っていたり、別の海藻をツマとしている場合がほとんどです。
トサカモドキはその名の通り、トサカノリに似ています。でも、よーく見るとすぐに見分けられるようになりますよー。
トサカモドキは、ペラペラとした薄さで味の印象もあまりない。それに比べてトサカノリは厚みがあり、しゃっきりとした歯ごたえ。海藻の味もしっかりするので、食べ応えがあります。
そのうち、スーパーで買ってきたお刺身パックのツマを見て「これはトサカモドキだね」なんて会話が自然と生まれているかもしれませんね。そんなきっかけで未来の海藻博士が増えたらいいなぁ。
トサカノリってなんぞや
海藻は大きく分けて緑藻、褐藻、紅藻の3種類に分かれているのですが、トサカノリは見ての通り赤い海藻なので、紅藻という種類に分類されているんですねー。
(トサカノリがどんな風に育てられているかなど、もっとがっつり知りたいよ!という方は、こちらから詳しくご覧いただけます。)
一般的には乾燥されたものが出回っていて、前述したとおりお刺身のツマや海藻サラダに使用されています。
塩蔵のものが業務用で出回っていることもありますが、収穫したものを塩蔵し、それを一度乾燥させたのち異物の除去を行い、水でもどして洗浄、再び塩蔵...という多くの作業工程があり、現在どうしても風味や食感が落ちてしまいがち。
その点シーベジタブルのトサカノリは、収穫後に洗浄したものをそのまま塩蔵しているので、トサカノリ本来の香りと鮮やかな色、しっかりとした食感が楽しめます。
トサカノリは海藻界のカメレオン!
さて、おまゆが自由研究に激推ししていた理由が、海藻界のカメレオンたる由縁であるトサカノリの性質にあります!
ひとつめは、酸性のものと合わせると色が変化する性質。
例えば、レモン汁をかければ、紅色のトサカノリがたちまち鮮やかなピンク色になります。
リンゴ酢やバルサミコ酢、米酢、ワインビネガーなど、酸の種類を変えて、色の変化を観察するだけでも、立派な自由研究になるかと思います。ね?簡単でしょ?
レモン汁を加える前のトサカノリ
レモン汁を加えると、、綺麗なピンク色に!
サラダにするときのドレッシングにお好みの酸を加えると、目にも美しいトサカノリサラダのできあがり。
ふたつめは、加熱すると形状が変化する性質。
トサカノリそのものに少しずつ熱を加えると、最初は歯ごたえのあったトサカノリが段々とぷるぷるになっていきます。
温度を計りながら加熱して、トサカノリが溶けていく様子を記録するのも面白そう。
寒天のように、加える水の量を調節すれば固まり具合も自由自在。好きなトッピングをすれば夏休みのお手軽おやつに!
見た目の変化が楽しいトサカノリを使った自由研究は、お子さんも興味を持ってくれること間違いなしです!専門的な知識や器具は一切必要ありません。
そして研究の後は美味しく食べることもできちゃいます。(ここ大事!)
夏休みの自由研究に、親子でのおうち時間に、ぜひトサカノリをご活用ください!
もし実際にトサカノリを使った自由研究に取り組まれた方、レポートお待ちしています^^
※(鈴木雅大『クロトサカモドキCallophyllis adhaerens』https://tonysharks.com/Tree_of_life/Eukaryote/Plantae/Rhodophyta/Callophyllis_adhaerens/Callophyllis_adhaerens.html)