オープン後も変化し続けるシーベジスタンドで今考えていること

2026年3月2日、東京・八重洲に、シーベジタブル初の常設店「シーベジスタンド」がオープンします。昼は海藻ラーメン、夜は海藻料理を提供する海藻酒場として営業しますが、メニューや料理、営業スタイルも、オープン時点で完成されるものではありません。来店する人の反応や、日々の調理の中での気づきを手がかりに、少しずつ更新しながら営業していきます。

これまでパートナーシェフとしてシーベジタブルの取り組みに関わってきた大山浩輝が、開業を機に料理長に就任しました。2024年には、シーベジタブルの海藻を使った「海藻天ぷら 藻場亭(もばてい)」を牽引。その後も、海藻という食材の特性や可能性に向き合いながら、調理の現場で試行錯誤を重ねてきました。開業に向けては、シーベジスタンドの料理監修を務めた岡田大介とともに、海藻ラーメンや海藻料理の試作に取り組んできました。

飲食の現場で海藻と向き合うということ

— 今回、料理長に就任することになり、海藻への向き合い方はこれまでと変わりましたか?

大山浩輝さん(以下、大山) 海藻は、香りも食感も非常に繊細で、少し手を加えるだけで印象が大きく変わります。最初は正直、扱いが難しい食材だなと思っていました。

これまでは「こういう料理がいいですよね」と提案する立場でしたが、いまは自分が決める側です。料理を考えるだけでなく、その日の仕込みやオペレーション、最終的に何を出すかを判断する役割だと思っています。

— 日々の厨房では、どんなことを意識していますか?

大山 海藻は自然のものなので、同じ種類でも状態が毎回少しずつ違います。香りがどれくらい立っているか、食感はどうか。それを見ながら、仕込みや火入れ、味の組み立てを微調整しています。

レシピはありますが、レシピ通りにやれば同じものができるという感覚ではありません。その日の海藻の状態を見て、工程を調整しています。

— シーベジスタンドの「顔」とも言える海藻ラーメンについて教えてください。

大山 シーベジスタンドは、昼は海藻ラーメン、夜は海藻料理を提供する海藻酒場として営業しています。はじめての方には、まずはラーメンを食べてもらいたいですね。海藻ラーメンは、シーベジスタンドが提案する「海藻の入口」です。食べたときに「美味しい海藻ってこんなに色々あるんだ」と、自然に伝わることを大事にしています。

香りや旨みが、あとからじわっと立ち上がってくるようなバランスを意識しています。海藻のことを知らなくても、「美味しい」と思ってもらえることが一番ですね。


—  個人的に、好きな海藻はありますか?

最初は、すじ青のりが一番好きだと感じていました。でもそれは、他の海藻の良さをまだ知らなかったからだと思います。いま挙げるとしたら、「若ひじき」です。若ひじきは食感がしっかりしていて、加熱しても形が残りやすい。炒めたり、和えたり、がっつりした料理にも合わせやすい海藻だと思います。香りが主役の海藻も魅力的ですが、若ひじきは「料理としての食べ応え」を作れる点が面白いですね。

—  海藻料理というと、ヘルシーなイメージを持つ人も多いと思います。

「ヘルシー」というのは海藻の特徴の一つですが、僕自身は食いしん坊なので、油を使ったがっつりした料理や、こってりした味付けの中でも、ちゃんと海藻が活きる料理をつくっていきたいと思っています。ポテトや揚げ物、魚料理など、日常的な料理に海藻が自然に主役となる。そういう見せ方ができたら面白いですね。

— シーベジスタンドを、どんな場所にしていきたいですか?

シーベジスタンドは、開業と同時に完成する場所ではないと思っています。お客さんの反応や、季節によって変わる海藻、調理方法の積み重ねで、少しずつ形が変わっていく場所にしたいです。

来るたびにメニューが違うかもしれません。その違いを面白がってもらえる店になったら嬉しいですね。「海藻のいま」を感じてもらえる場所でありたいです。

シーベジスタンドの海藻料理

シーベジスタンドの料理は、海藻を添えものとして使うのではなく、主役として味わうことから発想しています。サラダ、揚げ物、魚を使った料理。どのジャンルでも、海藻の香り・食感・旨みをきちんと感じるよう、料理ごとに役割を変えながら組み立てています。「どれを食べよう?」と迷ったら、「シーベジサラダ」「すじ青のりポテト」「魚と海藻を合わせた一皿」からオーダーしてみてください。

シーベジサラダ

一般的なサラダのように、野菜が主で海藻が少し入っている構成ではありません。とさかのりや若ひじきを中心に、立体感のある見た目と、シャキッ・ぷるっとした複数の食感を重ねています。海藻の量は、野菜と同じか、それよりも多いくらい!さっぱりとした味わいの中で、海藻そのものの存在感を楽しめます。

すじ青のりポテト

揚げ物は、すじ青のりが最も力を発揮する料理のひとつです。揚げたてのポテトにすじ青のりをたっぷりまとわせることで、香りが一気に立ち上がり、シンプルながら記憶に残る一皿に仕上がります。「すじ青のりって、こんなに香るんだ!」そんな驚きを感じてもらえる、シーベジスタンドらしい一品です。

魚と海藻を合わせた一皿

海藻は、魚や油分のある素材と合わせても存在感が埋もれません。海藻のみりんを叩いて生まれる粘りを活かし、味噌や薬味、その日いちばん美味しい魚と合わせた「みりんのなめろう」や「海藻タルタル」、「海藻セビーチェ」など、海藻を魚を組み合わせることで「満足度の高い海藻料理の一皿」となります。

シーベジスタンド料理長/大山 浩輝
すし職人歴10年。酢飯屋(東京都文京区)にて、親方 岡田大介氏の元で18歳より6年間師事。その後、幸腹料理大寿輝(こうふくりょうりだいすき)として独立。「お腹から幸せになれるような料理を提供する」をコンセプトに、すしをメインに、和洋中さまざまなジャンルの料理を組み合わせたディナーコースを考案。和食やすしといった日本の文化を尊重しながら、肩肘張らず、自然体で楽しんでもらえるような料理店を目指してきた。2022年10月よりシーベジタブルパートナーシェフ。現在は、シーベジスタンドの料理長を担当。


シーベジスタンド店舗概要
店名:シーベジスタンド
所在地:東京都中央区八重洲1丁目5−11
アクセス:東京駅八重洲口から徒歩3分/日本橋駅から徒歩3分
オープン日:2026年3月2日(月) 
営業時間:ランチ 11:30〜14:00(L.O.13:30)/ディナー 18:00〜22:30(L.O.22:00) 
プレオープン:2月13日(金)から2月23日(月)まで(「Makuake」優先予約枠での営業)